たり得ます、以上。
・・・ではなくて、どんな条件でならば勝ち筋たり得るか、
を考察したいと思います。

<キルターンはいつ?>
まず、ライブラリアウトでの最速キルターンを考えてみます。

こちら先攻、相手毎ターン一枚ずつドロー
1ターン目:生物 相手残33枚 2ターン目:《被害妄想/Paranoid Delusions(GTC)》26枚
3ターン目:《被害妄想/Paranoid Delusions(GTC)》おかわり 16枚
4ターン目:《被害妄想/Paranoid Delusions(GTC)》《被害妄想/Paranoid Delusions(GTC)》-2枚

なんとリミテ4ターンキル・・・ですがさすがに4枚同じカード使うのは現実的でないので、
《被害妄想/Paranoid Delusions(GTC)》一枚だとどうか。

2ターン目以降は26→22→18→14→10→6→2→-2と、
なんと2ターン目から8回も攻撃をスルーしてもらって9ターン目にしてやっとライブラリアウトします。《影切り/Shadow Slice(GTC)》を5ターン目に唱えれば、パワー1でも1ターン早くダメージで勝てますね。。。

早そうな5ターン目《破壊的な逸脱者/Consuming Aberration(GTC)》から呪文連打でも、
相手はやっと10ターン目でデッキの4割、土地を7枚程度引く計算で、6~10ターンにスペルを10回プレイしてやっとライブラリアウトします。


これでイメージできると思うのですが、軸がずれた勝ち手段の分、一枚でライブラリアウトを狙えるだけのカードは現実的には少ないですし、10ターン以内ではかなり難しいです。

一枚で狙えるだけのパワーとなると、
○:《破壊的な逸脱者/Consuming Aberration(GTC)》、《地底街の密告人/Undercity Informer(GTC)》
△:《ダスクマントルのギルド魔道士/Duskmantle Guildmage(GTC)》、《精神削り/Mind Grind(GTC)》

といったところでしょうか。ギルド魔道士は単独で削ろうとすると6~7ターンくらいかかるので、これもちょっと悠長で現実的でないです。
《精神削り/Mind Grind(GTC)》もX=8で打とうとすれば土地が10枚必要で、17ターン目頃でないと土地が足りません。


<掘るカード達>

ではここで、上記も含めライブラリを掘れるカードたちを見て行きましょう。カード名の後は
1枚で掘れる期待値(主観ベース)です。

2マナ: 《被害妄想/Paranoid Delusions(GTC)》6~9
     →アタックが1~2回通る
     《ディミーアの魔除け/Dimir Charm(GTC)》2
     《ダスクマントルのギルド魔道士/Duskmantle Guildmage(GTC)》6~8
     →3~4回能力起動

3マナ: 《地底街の密告人/Undercity Informer(GTC)》10~14
      →生物を5~7体サクる
     《賢者街の住人/Sage’s Row Denizen(GTC)》4~8
      →青生物を2~4体
     《心理的打撃/Psychic Strike(GTC)》2
     《夜帷の死霊/Nightveil Specter(GTC)》2~3
      →アタックが2~3回通る(厳密には掘っていないですが)

4マナ: 《欄干のスパイ/Balustrade Spy(GTC)》2
      《忌まわしい光景/Grisly Spectacle(GTC)》3~5
      →これを使うのは相手の中~重量級
      《囁く狂気/Whispering Madness(GTC)》2~4
      →これをプレイする頃には相手も手札あまり残ってない、1~2回アタック通る

5マナ: 《心見のドレイク/Mindeye Drake(GTC)》2~3
      →死ねば5枚だが、思い通りに死ねるかは不安定
      《破壊的な逸脱者/Consuming Aberration(GTC)》8~10→
      →出た後スペルを4~5回プレイ
      《強要された自白/Coerced Confession(GTC)》4

Xマナ:《精神削り/Mind Grind(GTC)》10~14→X=5~7でプレイ

といった感じです。「次の土地まで掘る」能力の期待値は2枚/回としています。
おおむねドラフトだと土地は40枚デッキで16~18枚、40~45%を占めます。
5枚のライブラリに2枚土地(40%)が入っており、2回この能力を起動して何枚
削れるか場合分けすると、1.8枚/回になったことを元にしています。


<じゃあ、なぜ掘るの?>

さて、上記掘るカードは、ライブラリアウトが目的でなくてもデッキに入れるカードが大部分を占めます。
そうでないのは、《被害妄想/Paranoid Delusions(GTC)》、《囁く狂気/Whispering Madness(GTC)》、《強要された自白/Coerced Confession(GTC)》、次点《心見のドレイク/Mindeye Drake(GTC)》くらいでしょうか。
逆に言えば、これらのカードをデッキに投入するには、それなりの理由付けがいります。
(《心見のドレイク/Mindeye Drake(GTC)》は5マナ払ってただのブロッカーを出すのは個人的に肯定できない、というのがあります。デッキ構成にもよるかもしれませんが、あまりこれで殴った記憶がありません。)

①カードの枚数が単純に足りないw
②強請の種。他にいい暗号をピックしていない。
③《第6管区のワイト/Wight of Precinct Six(GTC)》、《死の接近/Death’s Approach(GTC)》等とのシナジー
④相手のボムが怖いんだけど、ピン除去など対抗手段がないので、出る前に墓地に落とせると信じたい
⑤ライブラリアウトを狙えるデッキ

個人的に思いつくのはこれぐらいでしょうかね。
①~④はいずれも苦しい理由ですが、ピックの都合でやむを得ない時もあります。
では、⑤についてはどうでしょう。「ライブラリアウトで勝つ」ためには、果たしてこちらが何枚くらい削る必要があるのでしょうか。


<掘ってミル?>

お互いノーガードの殴りあいでない限り、GTCドラフトのキルターンは7~10くらいでは
ないかというのが当方の認識です。ちなみに2ターン目にパワー2、3ターン目にパワー2、4ターン目にパワー3と展開されると、その後後続がなくても無抵抗なら6ターン目に死にます。

基本的にダメージとライブラリ掘るのではまともにキルターンで張り合えないので、7~10ターンくらいまでをなんとかしのいで(その間に適宜掘る)、盤面を膠着させてから数ターンで削り切る、といった形がライブラリアウトで勝つイメージです。
まあディミーアの勝ちパターンそのもの、といってしまえばそれまでですが・・・

つまりライブラリアウトでのキルターンはおそらく10~14くらい。
そのとき、こちら先攻、相手がマリガンしておらずデッキが40枚であれば、例えばこちらの
12ターン目、相手のライブラリは残り22枚。
仮定が多くなってしまいますが、つまるところライブラリアウトで勝つには、自分のデッキの
半分程度で相手を20枚前後削れるポテンシャルが求められます。
使える土地の枚数は9~10枚、サクれる生物は、ディミーアなら12~15体くらいがデッキの生物合計でしょうから最大でその半分(途中で相討ちとったりもするでしょう)。

上記の期待値表を元にすれば、デッキの掘れるカードの期待値(=ミル値と呼んでいます、個人的に)合計が40枚くらいにならないとライブラリアウトで勝つのは難しそうに思えます。
実際に、当方のドラフトで実際に《被害妄想/Paranoid Delusions(GTC)》入れたデッキを見てみましょう。

<デッキA>

9 沼
8 島

1 《死の接近/Death’s Approach(GTC)》
1 《被害妄想/Paranoid Delusions(GTC)》
2 《肉貪り/Devour Flesh(GTC)》
1 《ディミーアの魔除け/Dimir Charm(GTC)》
1 《心理的打撃/Psychic Strike(GTC)》
1 《最後の思考/Last Thoughts(GTC)》
2 《忌まわしい光景/Grisly Spectacle(GTC)》
1 《影切り/Shadow Slice(GTC)》

1 《雲ヒレの猛禽/Cloudfin Raptor(GTC)》
1 《第6管区のワイト/Wight of Precinct Six(GTC)》
1 《排水路潜み/Gutter Skulk(GTC)》
1 《ダスクマントルのギルド魔道士/Duskmantle Guildmage(GTC)》
1 《聖堂の金切り声上げ/Basilica Screecher(GTC)》
2 《大都市のスプライト/Metropolis Sprite(GTC)》
1 《死教団のならず者/Deathcult Rogue(GTC)》
1 《賢者街の住人/Sage’s Row Denizen(GTC)》
2 《欄干のスパイ/Balustrade Spy(GTC)》
1 《ダスクマントルの予見者/Duskmantle Seer(GTC)》
1 《鍵達人のならず者/Keymaster Rogue(GTC)》

こちらはミル値が30~43とあまり高くありません。実質35くらいでしょうか。
《被害妄想/Paranoid Delusions(GTC)》が手札に来にくかったこともありますが、
勝ち筋はほぼ《影切り/Shadow Slice(GTC)》のほうでした。

《束縛の手/Hands of Binding(GTC)》があればそちらにしていたでしょうし、
中途半端に《被害妄想/Paranoid Delusions(GTC)》入れた典型でした。
何となく、低マナ域の生物に差し替えたほうがまだ良さそうです。
回避生物が13体中9体もいたので、暗号化して殴る動き自体は強かったのですが。

ちなみに、《鍵達人のならず者/Keymaster Rogue(GTC)》はたまに《賢者街の住人/
Sage’s Row Denizen(GTC)》が場にいる状態で、自身を出たターンに手札に戻したり、
《欄干のスパイ/Balustrade Spy(GTC)》を戻してまた削ったりもします。

<デッキB>
7 島
7 沼 
1 平地
1 《オルゾフのギルド門/Orzhov Guildgate(GTC)》
1 《ディミーアのギルド門/Dimir Guildgate(GTC)》

1 《死の接近/Death’s Approach(GTC)》
1 《予言のプリズム/Prophetic Prism(GTC)》
1 《束縛の手/Hands of Binding(GTC)》
1 《被害妄想/Paranoid Delusions(GTC)》
1 《ディミーアの魔鍵/Dimir Keyrune(GTC)》
1 《夜翼の呼び声/Call of the Nightwing(GTC)》
1 《忌まわしい光景/Grisly Spectacle(GTC)》
1 《魂の代償/Soul Ransom(GTC)》
1 《天使の布告/Angelic Edict(GTC)》

1 《スラルの寄生虫/Thrull Parasite(GTC)》
1 《ダスクマントルのギルド魔道士/Duskmantle Guildmage(GTC)》
1 《排水路潜み/Gutter Skulk(GTC)》
1 《聖堂の金切り声上げ/Basilica Screecher(GTC)》
1 《賢者街の住人/Sage’s Row Denizen(GTC)》
1 《地底街の密告人/Undercity Informer(GTC)》
2 《死教団のならず者/Deathcult Rogue(GTC)》
1 《破滅小径の仲介人/Bane Alley Broker(GTC)》
1 《門道の影/Gateway Shade(GTC)》
1 《欄干のスパイ/Balustrade Spy(GTC)》
1 《鍵達人のならず者/Keymaster Rogue(GTC)》
1 《破壊的な逸脱者/Consuming Aberration(GTC)》
1 《ディンローヴァの恐怖/Dinrova Horror(GTC)》

こちらは逆に、《破壊的な逸脱者/Consuming Aberration(GTC)》と
《地底街の密告人/Undercity Informer(GTC)》があることも影響し、
期待値は41~60とべらぼうに高く、取った6ゲームのうち4ゲームが
ライブラリアウトでした。
回避生物も6体おり、まあ充分でしょう。

こちらも《鍵達人のならず者/Keymaster Rogue(GTC)》はコンボチックな
動きを見せ、一度《賢者街の住人/Sage’s Row Denizen(GTC)》と
《破壊的な逸脱者/Consuming Aberration(GTC)》が場にいる状態で
出たり入ったりしてあっという間にライブラリアウトさせていました。

また、《夜翼の呼び声/Call of the Nightwing(GTC)》と
《賢者街の住人/Sage’s Row Denizen(GTC)》のシナジーなんかも
いい働きをしました。


<まとめ>
ミル値、という概念で、このデッキはライブラリアウトで勝てるデッキか?
を計ろうという試みでした。
もちろん除去や壁の多い長期戦デッキであれば、勝負が20ターン頃まで
もつれる前提でミル値は25~30くらいで充分なこともありますし、デッキに
青い生物が多ければ《賢者街の住人/Sage’s Row Denizen(GTC)》のミル値は
上昇します。グルール相手は《忌まわしい光景/Grisly Spectacle(GTC)》で
掘れる枚数も多そうです。上記の表はあくまで目安です。

要はこのデッキのパーツで、現実的な展開でライブラリアウトを目指せるのか、
という視点とある程度客観的な判断基準を持つことが大事、ということです。

当方も過去に経験有りますが、ピックしたからといって《精神削り/Mind Grind(GTC)》
のためだけにオルゾフに青タッチしてライブラリアウトも勝ち筋に・・・と目論んでも、
デッキに掘るカードがあと《忌まわしい光景/Grisly Spectacle(GTC)》と
《欄干のスパイ/Balustrade Spy(GTC)》が1枚ずつ、というのではまずライブラリを
削りきれはしないでしょう(《墓所の怪異/Crypt Ghast(GTC)》がいると話が違うけど)。


掘るってことは非日常で、掘る方にもそれなりの覚悟がいるってことですね(なんか違)

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